7,8年前に販売したリングです。
石に特徴があって印象的でした。
ピンクトルマリンの地に、まるで眩しい時の猫の目のような、
黒い楕円が入っています。
これをつけると猫のパワーを手に入れたような気持ちでした。
きっとこれを研磨した人もそう思ってこうカットしたんだろうなと思います。
一点もののおもしろい石はなかなか出会えないです。
2016年かのクリスマス、伊勢丹POPUPにて販売したネックレスが、
修理で戻ってきた。
長い辺で8mmほどの、小さなカルセドニー。
カルセドニーにはめずらしくファセットカットで、
なんともいえずミルキーでフルーティなグリーンがかわいくて、
タイで仕入れた思い出の石。
販売したら記憶からなくなるけども、
こんな風にふと戻ってくると、この石を石入れたことや、
ドキドキしながら穴あけの加工をしたこと、
販売したこと、がふわ〜っと思い出されます。
しかもなかなかいい思い出。
石には、パラレルワールドから抜け出てきたような、
瞬時にその時間に戻される魔力があります。
このころはたくさん作っていたけど、
旅立った石たちはどうしているだろうな。
当時はやることが多すぎてつらい半分だったけど、
またやりたいなと思ってしまいます。
お客さまに、「ルビーとサファイアは同じコランダムという石で、
色の違いで分けているんですよ」とお伝えしたらだいたい驚かれます。
ルビーは単一の赤のみを指し、
四大宝石に数えられる、希少で高価な石です。
赤の持つすごみというのは強力で、
本当に高品質のルビーは表情が豊かで、色合いやきらめきも単調でなく、
迫力と多彩さが同居している妙齢の美女のような気品と迫力があります。
品質があまり良くないものは、
フラクチャー処理や鉛ガラスの含浸処理を施して、
透明度と耐久性を改善させる処理を行うことが多く、
流通しているほとんどのルビーは加熱することで鮮やかな色を引き出しています。
高品質のものと比べてみるとのっぺりした色合いに感じたり、
ずっと眺めていられるような美しさはないかもしれませんが、
「石」という資源であることには変わらなく、
個人が好きだと感じる色、大きさの石に出会えればそれが最高だと思います。
単色の中でも産地や加熱処理・含浸処理の有無、スターが出たりなど、
いろいろとこだわれる部分のある石です。
鉱物名 天然コランダム
宝石名 ルビー スタールビー
カラー 赤色 透明~半透明
産地 ビルマ スリランカ タイ インド など
モース硬度 9程度
屈折率 1.43~1.42程度
インクルージョン シルク状 結晶 液膜など
劈開 なし
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